印刷前の試し刷り、色校正
本番印刷前に、仕上がりの確認をするのが『色校正』。
『本機校正』と『簡易校正』の2種類があります。
色校正サービスとは
本番印刷をかける前に、仕上がりを確認するために試し刷りをすることを『色校正』といいます。
昔は、当たり前のように行っていた『色校正』ですが、最近では、印刷費用を抑えるため省略することが多いです。
しかし、印刷の色味を正確に表現する必要がある場合などには、できるだけ色校正を行う方が良いでしょう。特に、アパレル関連や、ハイブランドメーカーのパンフレットにおいては、『色校正』は必須です。
また、色校正には『本機校正』と『簡易校正』の2種類があります。
それぞれ、校正紙の出力方法が異なり、目的も大きく異なりますので、それぞれの違いを知り、適切な方を選択することが大切です。
当社では、お客様のご状況やご要望を適切に判断し、必要と判断した場合には、適宜『色校正』をおすすめしています。
色校正の種類
本機校正
本番印刷で使用する印刷機を使い、実際の印刷紙に試し刷りを行います。
実際の印刷と同じ条件での試し刷りが可能です。
精度の高い『色校正』をご希望される方におすすめです。
例えば、高い芸術性が求められる写真集やカタログ・パンフレットや、高級車など高額商品のカタログ・パンフレットの印刷などでは、かならず本機校正を取り入れます。
また、本機校正は1回ごとに費用がかかります。
本機校正を繰り返せば繰り返す毎に費用がかかりますので、本機校正の回数が増えれば費用が高くなります。
印刷機械
本番と同じ(オフセット印刷)
校正紙
本番の紙と同じ
再現性
本番の品質と同じ
費用
割高
簡易校正
本機校正よりも、もう少し簡易的な方法で印刷の試し刷りする方法が『簡易校正』です。
『簡易校正』は、本番の印刷機ではなく、オンデマンド印刷機やインクジェットプリンタ(※)などで出力します。
また、試し刷りする紙も本機校正とは異なります。
オンデマンド印刷機の場合は、実際の紙質に近い用紙に出力されます。 (コート紙・マット紙・上質紙のいずれか)インクジェットプリンタの場合は、インクジェットプリンタ専用紙(厚手のコート紙またはマット紙) に出力します。いずれも、本番で使う紙ではありません。また、簡易校正で出力された文字は、実際の印刷表現と比較すると、すこし太く印字されます。
以上のことから、簡易校正の目的は、念の為の確認となります。仕上がりイメージを確認するためには有効ですが、実際の色味を確認したい場合は本機校正を選ぶほうが安全です。
しかし、簡易校正の方が、本機校正よりも費用が安価であるというメリットがあります。
※:印刷会社のインクジェットプリンター
印刷機械
校正用機械(本番とは別)
校正紙
校正用の紙(本番とは別)
再現性
本番とは異なる
費用
安価
色校正の判断基準
誰もが、本番印刷で失敗したくないと考えますが、費用のかかる色校正をとりいれるべきかどうかの判断は非常にむずかしいものです。
そもそも、『色校正』は必要なのか、必要な場合は『簡易校正』がよいのか『本機校正』のほうがよいのかは、簡単に判断できません。
弊社では、プロの視点で、お客様のご状況に応じて『色校正』の必要性をアドバイスさせていただいております。
また、『色校正』の必要性を判断しやすいよう、チャート図を作成しております。(下記図)
基本的に色味をシビアに合わせる必要がなければ、『色校正』なしでも大きな問題は起こりません。しかし、少しでも不安がありましたら当社までご相談ください。
色校正でよくある勘違いと注意点
『色校正』は「誤字脱字」などの文字の間違いなどをチェックするものではありません。
『色校正』とは、誤字脱字のチェックを目的として行うものではありません。もちろん、この段階で見つかった場合には、印刷前に修正は可能ですが、ここで誤字が見つかるというのはとても危険です。
『色校正』後に、最終印刷データを差し替えるというのは、データエラーのリスクが高まります。その他、納期が延長したり、様々な調整の手間がかかるため追加費用がかかる場合があります。
誤字脱字については、『色校正』前に精度の高い文字チェックが必要です。
『色校正』をする場合は、納期に余裕をもって取り組みましょう。
本番印刷前に『色校正』を入れる場合には、通常の印刷工程日数に『色校正』にかかる日数が追加されます。通常は2〜3営業日が追加されます。
よって、『色校正』を入れる場合には、納期に余裕を持つことと、万が一、データの差し替え等が起こった時に多少の費用がかかることを想定しておきましょう。
一般のインクジェットプリンターでの出力は色校正のかわりにはなりません。
簡易校正は印刷会社のインクジェットプリンターなどで出力されるのだから、会社のインクジェットプリンターで出力すれば、『簡易校正』の代わりになるのではないかと思ってしまいますが、それは間違いです。
一般的なプリンターと印刷機の出力方法は全く別物ですので大きく色味が異なります。
時折、『会社のプリンターで出したら色がおかしい』というお話を聞く事がありますが、それは当然です。むしろ、仕上がりの色味は、パソコン上でみるPDFの方が近いともいえます。
会社のプリンターでは、全く違う色になりますので、文字のチェックのみにとどめておきましょう。色味が気になる場合には、やはり本機校正か簡易校正でチェックするようにしましょう。
こんな方は色校正サービスをお選びください
- 高額な商品を販売するカタログを作成する場合。
- パンフレットやカタログの色味が違うとトラブルやクレームになる可能性がある場合。
- 美術品や芸術作品など、作品のクオリティを忠実に表現したい場合。
- ロゴマークの色を正しく併せたい場合。
など、個別のご相談も対応しております。その他、細かな質問(ご依頼)でも承ります。どうぞお気軽にご相談ください。