執筆者:後藤ようこ
後藤 ようこ取締役副社長
スキル
- ランディング(執筆)
- ディレクション
- コンサルティング
大学病院で看護師として働いたのち、看護教員の資格を取得し看護教育に携わりました。
現在は株式会社ノーブランドの取締役としてウェブサイトやパンフレット制作のディレクションを担当しています。(ディレクションは20年以上の経験を持ちます。)
また、医療系の出版社で医療記事の連載をした経験があります。医療記事をはじめ、販促物に掲載する原稿作成(ライティング)も担当しています。医療知識を持っているため、医療、介護、福祉関係のお客様が多いです
これまで学んできた、教育学、人間関係論、心理学などの知識を活かし、販売促進に関わるコンサルティングも行っています。
<記事の概要>
あるクライアントと『会社の理念』への向き合い方についてお話をいたしました。その時のディスカッションを踏まえ、『会社の理念』を、どのようにスタッフの隅々まで行き渡らせるかについてコラムにまとめました。目 次
1難しすぎる『会社理念』
先日お伺いした某クライアントは、医療機関のご経営者さんでした。
『今、悩んでいる事の相談に乗って欲しい』と言われたので、しばしお悩みをお聞きすることに。
お悩みというのは『会社の理念をいかにスタッフに分かりやすく伝えればいいのか?』という事でした。
経営者が掲げる『会社の理念』とは、会社全体の思想の骨格です。
ここがブレたりすると、やはりスタッフは混乱しますし、何よりもより良い顧客サービスを実現できません。
しかし、経営者というのは、時にその思いが熱すぎる事があるのです。
熱い熱い想いを『会社の理念』に盛り込んでしまうため、その明文化された文字表現がスタッフに伝わりづらくなる。このジレンマに陥っているご経営者(および管理責任者)さんも多いのではないでしょうか?
しかし、だからといって平素で簡易な表現にもできない。
これが、経営者とスタッフの間の見えない壁なのです。
2経営者が考えぬいた『会社理念』を変えるのではなく活かす
今回の具体的な相談とは、この『会社の理念』をもっと分かりやすく変えたほうがいいのか?という質問でしたが、私は、このお悩みの趣旨はそこではないのでは無いかと考えました。
では、今悶々としている、このご経営者様とスタッフの温度差をどう埋めるのか?
私は、こんな感じに話を導きました。
この意図は、具体的に言えばこういうことです。
例えば、ちょっとした顧客からのクレームがあった時、ちょっとした仕事中のミスがあったとき、その時とった行動は、会社の理念にモノサシをあてて考えたら、どうであったのか?もっと適切な対応や言葉掛けは無かったのか?ということを、みんなでディスカッションすればいいと思うのです。(当社ではいつもやっています)
現場で実際に起こったことが題材になれば、難しく感じた会社の理念が、ものすごくリアリティをもって身近に感じる事でしょう。
逆に、リアリティの無い思想は、誰の心にも響かないものです。理念や思想というものは、具体的な行動に落とこんでこそ、生き生きと輝き始めるのです。
ここまで説明したら、クライアントはストンと腑に落ちたようで、スッキリされたようでした。
解決策を具体的に提示したわけではありませんが、私とのMTGで手がかりが生まれた事に、とても喜びを感じた次第です。
会社の理念とは、会社の屋台骨です。
スタッフの思想の隅々まで、そして仕事や言葉の一つひとつまで行き渡るような、会社経営を理想としたいものです。