執筆者:後藤ようこ
原稿作成・文字校正パンフレットの文章作成が苦手な方へ 〜文章作成と文字校正の基本〜
- 2024年02月04日
- ノウハウ
執筆者:後藤ようこ
後藤 ようこ取締役副社長
スキル
- ランディング(執筆)
- ディレクション
- コンサルティング
大学病院で看護師として働いたのち、看護教員の資格を取得し看護教育に携わりました。
現在は株式会社ノーブランドの取締役としてウェブサイトやパンフレット制作のディレクションを担当しています。(ディレクションは20年以上の経験を持ちます。)
また、医療系の出版社で医療記事の連載をした経験があります。医療記事をはじめ、販促物に掲載する原稿作成(ライティング)も担当しています。医療知識を持っているため、医療、介護、福祉関係のお客様が多いです
これまで学んできた、教育学、人間関係論、心理学などの知識を活かし、販売促進に関わるコンサルティングも行っています。
<記事の概要>
パンフレットやカタログに掲載する文章作成の基本を知ることで、印刷後の誤字脱字や文章のエラーをなくし、再印刷のリスクを減らす事のできるノウハウをまとめました。目 次
1誤字脱字や文章のミスは印刷の刷り直しにつながります
こんなお悩みはありませんか?
◉パンフレットに掲載する文章に自信がない。
◉パンフレットやカタログの誤字脱字を減らしたい。
◉文章を作成する時の基本的なルールを知りたい。
当社は、約27年間にわたり、パンフレットやカタログ制作、ホームページ制作などを専門として業務を行ってきました。お付き合いした顧客の数は数千社に及びます。(弊社の実績は、お客様の感想をまとめた『リアルな声』を御覧ください。生の声をそのままアップしています。別ウィンドウで開きます。)
いざ、パンフレットやカタログに掲載する文章を作成しようと思っても、どのような文章にすればよいか難しいと感じたことはありませんか?
日頃からメールやチャットなどで文章を書いていても、いざ、パンフレットなどに掲載するフォーマルな文章を書くのは本当に難しいものです。
パンフレットを印刷した後で、大きな誤字脱字やわかりにくい文章が見つかった場合、最悪、印刷しなおしになってしまうことも。このブログを読むことで、文章を書く前に、最低限の文章の基本を知り、印刷の刷り直しなどのリスクを回避することができるかもしれません。
ぜひ、お読みください。
2誤字脱字しやすいポイント 〜郵便番号〜
意外にも、名刺の作成時に起こりやすい失敗が「郵便番号」の間違いです。
「まさか、郵便番号は間違えないでしょ?」
と思われがちですが、7桁の数字の羅列は、思わぬ見間違いや勘違いを起こしやすいのです。
名刺には住所、氏名、肩書き、電話・FAX番号、URLなど、限られた情報しか掲載されません。小さな紙面にコンパクトに掲載された中の郵便番号を間違うはずないという思い込みもミスにつながります。
こんな失敗を起こさないように、、ミスを防ぐ方法を解説します。
ミスを引き起こす原因
あまりにも当たり前すぎて、「郵便番号なんて間違っているはずがない!」という思い込みがミスにつながります。
過去に弊社でも名刺の文字の校正を行なっている時に、郵便番号の間違いに気づく経験をしたことが度々あります。
日常的に使う会社の住所や電話番号。
繰り返し郵便番号を転記していくうちに何かの拍子で番号を間違えたまま、コピー&ペーストをして使い続けることが原因になることが多いです。その証拠に、同じようにホームページの郵便番号も間違っていたりします。
コピペの繰り返しは思わぬミスになりますので、その度ごとに文字校正(文字チェック)を行いましょう!
間違いやすい数字
そのほか、
「3」と「8」、「5」と「6」、「1」と「7」、「0」と「6」と「9」も似ています。
このように似ている数字は、特に間違え易いです。
また、0011や0001など、似た数字が組み合わさった数字の羅列も間違えやすいので注意が必要です。
ミスを防ぐための工夫
パンフレットや名刺作成時、郵便番号など日常的によく使う数字のミスを無くすためには、文字の校正時に二人以上で読み上げ校正を行うことが最適です。
かなりの確率でミスを回避することができます。
一人で読み上げても思い込みは生じます。
必ず、二人以上で読み上げて、郵便番号に間違いはないかを確認しましょう。
読み上げる時の注意
数字を読み上げる時は発音にも注意します。
例えば、1と7は発音が似ているので、区別します。
1=イチ、7=ナナと読みましょう。
0はレイよりもゼロの方が聞き取りやすいです。4はヨンと読みます。
聞き手にはっきりわかるよう発音にも注意して、読み上げるようにしましょう。
3句読点の使い方
文章中の句読点の使い方にはいくつか種類があります。文章全体のルールを統一して、読みやすくわかりやすい文章になるように作成しましょう。
句読点の種類❶ 「横書き」
横書きの場合に使う句読点は以下の3種類があります。
, と .
, と 。
、 と 。
句読点の種類❷ 「縦書き」
縦書きの場合の句読点は以下のの1種類です。
、 と 。
欧文が多い場合
本文中に欧文が多く入る場合は、〔, .〕を使う方がよいでしょう。公用文では〔,。〕を使用することが多いようです。
句読点の使い方❶ 「句点 。」
句点は文の終わりにつけます。しかし、文を括弧でくくった場合には段落全体を構成するものであれば句点はつけません。
また、省略や間をもたせるために文末で「・・・」や「ー」をつけた場合は、その次に句点をつけます。
句読点の使い方❷ 「読点 、」
読点は文章を読みやすくし、文章の内容を伝えるために必要な際に使います。
読点をつける部分は、読み上げる時の息の切れ目や読みの間(なるべく20字以内)を考えてつけます。
また、誤読を避けるためにも適度に読点を使います。
句読点の使い方❸ 疑問符・感嘆符
?は疑問符、!は感嘆符といいます。
文末に疑問符(?)や感嘆符(!)をつける場合は句点はつけません。
また、文末に?や!をつけた場合は1字あけます。
ただし、語句(単語)に付ける場合には1字あけは必要ありません。
句読点の使い方❹ 句読点と括弧の関係
以下は一例です。
ああ「ああ.ああ.」ああ.
ああ「ああ.ああ」.
ああ「ああ.ああ」.
ああ「ああ.ああ.」
4括弧
括弧(かっこ)は、文章を読みやすく整理するために使います。ただし、使い方にはある一定のルールがあります。まずは、括弧の種類と使い方に注意して、読みやすくわかりやすい文章になるように作成しましょう。
かっこの種類❶ かぎ括弧 「 」
かぎ括弧「 」は、会話、強調、注意を引きたい語句、引用文などに使う括弧です。横書きの場合などでは、コーテーションマークを使う場合もあります。かぎ括弧「」内に文章は改行しないようにしましょう。
*コーテーションマーク:“ ” 、‘ ’
かっこの種類❷ 二重かぎ括弧 『 』
二重かぎ括弧『 』は、一重かぎ括弧の中で、さらに強調したい語句に使ったり、著書・雑誌名などで使います。
例:「ああああ『ああああ』あああああ」
かっこの種類❸ パーレン ( )
パーレーンは丸かっことも呼ばれ、補足や語句の説明などに使われます。パーレンの中には、すみつきパーレン【 】などもあり、見出しなどに使われます。通常、かぎ括弧「」『』や丸括弧()を使う時は句点(。)をつけません。
※ただし、段落の最後にあり、直前に主語がある場合、述語が省略されている場合は句点をつける。
かっこの種類❹ キッコウ 〔 〕
キッコウ(亀甲)は縦書きの時に引用文などの中に補足説明などを付ける場合に使用する括弧類です。逆に、横書きの場合は、[ ](ブラケット)を用います。
かっこの種類❺ 山がた 〈 〉
山括弧とも言われます。語句を強調したい場合や引用文をくくる時に使います。
また、山括弧には一重のものと二重のものがあり、二重山括弧は《 》で表します。
かっこの種類❻ ブレース { }
ブレースは波括弧、中括弧とも言います。
ブレースとパーレン(丸括弧)は以下の順番でくくります。
[{( )}]
{ [( )] }
かっこの種類❼ コーテーションマーク “ ” ‘ ’
欧文の横書きの場合などに、かぎ括弧や二重かぎ括弧と同じように使います。
コーテーションマークは、ダブルとシングルがあります。
ルールを決めよう
パンフレットなどに文章を掲載する場合には、複数ある記述記号のルールを決めて、誌面全体のルールが統一するように留意して文章を整えましょう。弧類の使い方がバラバラだと、読み手にわかりにくく、伝わりにくい文章になってしまいますので注意しましょう。
5数字の使い方
パンフレットやカタログの説明文などで、数字の見出しをつける場合は、ある程度順番がありますので、気をつけて使いましょう。
例えば、見出しで数字を割り当てる場合、優先順位は下記の通りになります。
横書き
第1
1
(1)
ア
(ア)
縦書き
第一
一
1
(一)
(1)
ア
まれに箇条書きとして①や②を使う場合があります。内容に応じて数字をふっていきましょう。
横書きの場合の数字の表記
横書きの場合、原則として数字はアラビア数字を使います。ただし、訓読みの数字などでは、「1つ、2つ、3つ」と表記する場合だけでなく、「一つ、二つ、三つ」と表記する場合があります。
また、1,2,3と数字が続く表現の場合などでは、「第1次、第2次」」の表記の他に「第一次、第二次」と表記することもあります。ただし、「0」においては、つとめてアラビア数字の「0」を使います。
分数の表記
分数の表記は、「2/3」、「3分の2」などとする事が多いです。「2/3」とする場合は、全角ではなく半角(1バイト)の数字を使いましょう。
数字の幅
「6ページから5ページ」のように、数字の幅を表現する場合は、「5-6ページ」と表します。「ー」は二分ダーシと言います。また、二分ダーシを使わずに波形(〜)で表現する方法もあります。
西暦年数を表示する場合には、3桁目以上が同じ西暦の場合、「1967-80」「2000-06年」のように後ろ2桁で表します。
不確かな数字の表記
不確かな数字を表現する場合は、カンマを使って表します。例えば、4,5人(四五人) 2,3日(二三日)のように表します。
また、概略の数字を表す時にはアラビア数字は用いません。数十円や数百キログラム、百余人のように漢数字を使って表現します。
6わかりやすい文章の書き方13のポイント
パンフレットやカタログに掲載する文章を作成する時は、できるだけわかりやすく、誤読が起こらないような文章になるよう心がけます。万人にわかりやすく、伝わりやすい文章にするためのポイントは、以下の通りです。
7参考著書
・日本エディタースクール出版.日本語表記ルールブック,日本エディタースクール,2012
・一般社団法人共同新聞社.記者ハンドブック14版.共同通信社,2023.