執筆者:後藤ようこ
社章失敗しない社章の作り方 〜5つのポイント〜
- 2023年04月19日
- コラム
執筆者:後藤ようこ
後藤 ようこ取締役副社長
スキル
- ランディング(執筆)
- ディレクション
- コンサルティング
大学病院で看護師として働いたのち、看護教員の資格を取得し看護教育に携わりました。
現在は株式会社ノーブランドの取締役としてウェブサイトやパンフレット制作のディレクションを担当しています。(ディレクションは20年以上の経験を持ちます。)
また、医療系の出版社で医療記事の連載をした経験があります。医療記事をはじめ、販促物に掲載する原稿作成(ライティング)も担当しています。医療知識を持っているため、医療、介護、福祉関係のお客様が多いです
これまで学んできた、教育学、人間関係論、心理学などの知識を活かし、販売促進に関わるコンサルティングも行っています。
<記事の概要>
社章を作成する時に、押さえておきたいポイントを5つにまとめました。失敗しない社章の作り方ですので、参考にしてください。目 次
1社章とは
社章とは、企業や団体が使用する紋章や徽章のことです。
それぞれの企業や団体の名称、活動目的、特徴などを象徴するデザインが描かれたフォルムをしています。
社章はバッジになっているので、従業員がスーツの襟の部分に身につけたりします。
社章とは企業や団体のイメージをアピールする重要な役割を果たすとともに、会社や団体への帰属意識や団結力などを強め、従業員のモチベーションの向上にも大きく貢献します。
先日、お客様からのご依頼で社章の作成を承りました。すでに使われている社章をもとに、同じデザインで新たに50個ほどの社章を作りたいとのことでした。
意外に、改めて社章を作るとなると、どこにどのように依頼すべきかわからないものです。今回、弊社で担当させていただいた社章制作の過程を解説するとともに、社章作成のポイントについて以下に解説してきますのでご参考ください。
2ポイント1:見本を業者さんに送ろう
すでにある社章と同じデザインの社章を増産したい場合は、手元にある見本を業者さんに送りましょう。業者さんは社章制作においてはプロですので、それを見ながら、専門的な視点でアドバイスしてくれるはずです。
もしも、以前作成した社章の仕様(サイズや素材、加工方法など)がわかっているようであれば、その詳細な仕様も伝えると確実です。詳細な仕様がわからなくとも、専門家であれば、見れば大体の仕様は識別できますので、見本を送ると良いでしょう。
詳しい仕様や見本サンプルが無い場合や、初めて社章を作り場合などは、業者さんのアドバイスを受けながら、新たに仕様を確定していきましょう。
3ポイント2:加工方法
社章を加工する方法にはいくつかの方法があると言われています。代表的な加工方法は以下の通りです。
社章を金属や木材などの表面に彫刻する方法。
ロゴマークの詳細なデザインや文字を表現するときに最適です。
レーザーカッターを使用して社章を切り出す方法。
この方法は、複雑な形状や細かいデザインを実現するのに役立ちます。
酸を使って金属の表面にデザインを彫り込む方法。
この方法は、鋭いデザインや文字を表現するのに最適。
社章を印刷する方法もあります。
この方法は、カラフルで複雑なデザインを表現するのに適しています。
加工方法は加工する素材やデザインによって異なります。加工する前に、素材とデザインを踏まえ、最適な方法を選択することが重要です。業者さんと打ち合わせしながら、進めていきましょう。
今回、弊社で作成した社章は『レーザーマーキング』という方法で加工しました。
レーザーマーキングとは
レーザーマーキングとは、レーザーを利用して、素材表面に文字や模様などのマーキングを行う技術のことです。
レーザーマーキングは、工業製品のシリアルナンバーやバーコード、ブランド名やロゴマークなどを彫刻する時などに幅広く使用されています。また、宝石や時計などの高級品にも使用され、個性的で美しい装飾が施された製品を作り出すことができます。
その高い精度や高速性、非接触性、耐久性などの特長から、さまざまな分野で広く利用されています。
これまで使用していた社章の見本を業者さんに送ったところ、細かなエッジの表現などを考えるとレーザーマーキングで加工するのがベストだという事で、この加工方法を選択しました。
4ポイント3:仕上げ
今回の社章は、『いぶし銀仕上げ』を施しました。
『いぶし銀仕上げ』とは、銀製品に人工的に黒い酸化被膜を形成させることで、古い風合いや味わいを出す仕上げのことです。この酸化被膜により、もともとの銀の輝きが消え、少しくすんだ色味となります。
この仕上げ加工は、銀製品を新品同様の美しい輝きを維持するために、酸化防止処理をすることで行うこともあります。また、一般的には、銀磨きをすることが難しい箇所や細かい部分などにも用いられます。
いぶし銀仕上げは、銀製品の美しさを損なうことなくアンティーク感を演出するのに適しています。この仕上げによって、銀製品がより一層味わい深いものになります。
5ポイント4:金具
ピンバッジはスーツなどに身につけるため、金具タイタックという加工になっています。
金具タイタックは、ネクタイの襟元に付けるアクセサリーの一種で、金属製のピンがベースになっています。このピンを襟元に挿し込んで裏側で留めることで、スーツの襟元などにしっかりと固定されます。
金具タイタックは、素材やデザインによって価格帯が異なります。一般的には、メンズジュエリーとしても扱われるため、高級感のある素材やデザインのものも多くあります。
社章に使われるのも、この金具タイタックになります。
6ポイント5:銀相場
社章のベースは純銀製で作られることがあります。
純銀製でつくる場合は、作成費用の見積額は、その時の銀相場で計算されます。
銀相場は常に変動しますので、見積もりを依頼してから時間が経ってからの発注する場合、見積額が変わる場合もありますので注意が必要です。
銀相場とは銀の市場価格のことです。
国際的な商品市場で取引されており、世界的な需要や供給量、経済情勢、投資需要などの要因によって左右されます。
例えば、経済の不安定化やインフレ懸念が高まると、投資家は安全資産としての銀に需要が集まり価格が上昇することがあります。一方で、景気が好調な場合は、需要が減少することがあり価格が下落することがあります。
銀相場は市場の変動によって常に変動しており、投資家や銀製品を販売する企業などは、銀相場の動向を常に注視しています。
7その他、注意が必要なポイント
社章作成時に特に注意が必要なポイントが、上記の5つです。
ただ、その以外でも、決めなければならない基本的なポイントがありますので、以下にまとめておきます。
社章のサイズと重さです。
社章の直径を測って業者さんに伝えて見積もりを作ってもらいます。
時に、社章にナンバリングが付く場合があります。
ナンバリングの位置と開始番号などを指定します。
社章を収納するケースが必要な場合があります。
主に、スポンジなどの柔らかい緩衝材の上に格納されます。
ケースが必要が否かを伝えて見積もりを計算してもらいましょう。