執筆者：後藤ようこ
後藤 ようこ取締役副社長
スキル
- ランディング（執筆）
- ディレクション
- コンサルティング
大学病院で看護師として働いたのち、看護教員の資格を取得し看護教育に携わりました。
現在は株式会社ノーブランドの取締役としてウェブサイトやパンフレット制作のディレクションを担当しています。（ディレクションは20年以上の経験を持ちます。）
また、医療系の出版社で医療記事の連載をした経験があります。医療記事をはじめ、販促物に掲載する原稿作成（ライティング）も担当しています。医療知識を持っているため、医療、介護、福祉関係のお客様が多いです
これまで学んできた、教育学、人間関係論、心理学などの知識を活かし、販売促進に関わるコンサルティングも行っています。
Googleマップの口コミが飲食店の宣伝に与える影響と活用法 
＜記事の概要＞
皆がAI（チャットGPT）で文章を書く時代に突入。そんな時代だからこそ、Google口コミなど主観的なレビューが価値を生む理由について解説しました。目 次
1AI（チャットGPT）が文章を書く時代がきた
特に、ChatGPTをはじめとする高機能な生成AIの登場は、誰でも簡単に質の高い文章を作成できる時代を実現しました。
（ChatGPTが登場する）以前のAIは、単なる文章の自動補完や翻訳、簡単なテンプレート生成にとどまっていました。しかし、現在のAIは文脈を理解し、読み手の心理をくみ取った文章を作成できるレベルにまで進化しています。
例えば、ChatGPTには以下のような特徴があります。
意図を読み取る
ユーザーが求める「トーン」「スタイル」「文脈」を考慮した文章を作ります。一つのセッションで前後の流れを汲み取りながらユーザーの問いに回答します。一瞬、人間同士の会話のようにみえるほどです。
バリエーションが豊富
シンプルな説明文の作成から、文学的な表現、ビジネス向けのフォーマルな文章までバリエーション豊富に対応します。ユーザーの希望にあわせて修正を重ねてくれます。
時間を大幅に短縮
ライターが数時間かけて作る文章が数分で完成してしまいます。指示を与えてから数秒で文章ができあがります。時間が短いだけでなく、きちんとソース（情報源）も提示してくれます。
現在では、ChatGPTはじめAIは、企業のブログ記事、商品説明文、SNSの投稿、小説のプロット作成など、幅広い場面で活用されており、今後もますます広がっていくことが予想されます。
2AIが作る文章と人間が書く文章の違い
いいことづくめのChatGPT(AI)が作る文章は、確かに洗練されており、自然な流れで読みやすいですが、いくつかの「限界」もあります。
AIが作る文章の欠点
実体験がなく一般的になりがち
AIはデータをもとに文章を作成しますが、実際に「経験」したわけではありません。
例えば、「このレストランのパスタはモチモチで、トマトソースが絶妙だった！」というレビューは、食べた人にしか書けません。体験を伴わない文章は、どうしても「無難で一般的な内容」になりがちです。
感情のリアリティに欠ける
AIは感情表現を生成できますが、それはあくまで「データのパターン」に基づいたものです。本当に感動したときや心から嬉しかったときの言葉には、書き手の熱量が宿ります。例えば、「この映画のラストシーンで涙が止まらなかった。こんなに心を揺さぶられたのは久しぶり！」という言葉は、AIには生み出せません。
主観的な視点や独自の考察が難しい
AIは客観的なデータをもとに文章を作成しますが、「個人の価値観や哲学」を反映させるのは難しいです。例えば、「私はこの本を読んで、自分の人生観が変わりました。今まで当たり前だと思っていた価値観が崩れた瞬間でした。」というような文章は、個人の経験や思想が反映されているため、AIには書けません。
人間が文章を書く価値
これこそ、「実体験に基づくレビュー」です。
実体験に基づくレビューには、AIにはない「リアルな感情」や「主観的な視点」が含まれます。体験したからこそ語れる、説得力のある文章になり、口コミやレビューとして、他の人にとって価値のある情報になります。
AIが文章作成をサポートする時代だからこそ、「人間にしか書けないことを書く」ことが重要になります。
ここからは、具体的にどのような文章が価値があるのか、解説していきます。
3人間にしか書けない文章の価値とは？
AIは文章をスムーズに作成できますが、「実体験に基づくレビュー」だけは、AIが完全に再現できない領域です。実際に体験した人の感情や細かなニュアンスは、データの分析だけでは生み出せません。
では、なぜ実体験のレビューが重要なのでしょうか？
具体例を交えながら深掘りしていきます。
メリット1：体験した人にしか書けない「リアルな感情」がだせる
実際に体験した人の言葉には、リアルな感情が込められています。
これは、単なる情報の羅列とは違い、読者の共感を呼ぶ重要な要素です。
例えば、以下の2つのレストランのレビューを比べてみましょう。
AIが書いた一般的なレビュー
「このレストランのパスタは、モチモチとした食感で、ソースとの相性が良いです。店内の雰囲気も落ち着いており、リラックスできます。」
実体験に基づいたレビュー
「一口食べた瞬間、トマトソースの酸味と甘みが広がり、自家製麺のモチモチとした食感が最高でした。ホールのスタッフさんが料理の隅々まで理解されており、わかりやすく説明してくれて、より一層味わい深く感じました！」
そこに行った人でないと分からない細かな情報が価値を生み、読み手の感情を動かします。
これは人間でないと書けない文章表現です。
メリット2：旅行や商品のリアルな使い勝手も、人間ならではの視点が加わる
実体験のレビューは、旅行や商品の使い勝手についても、実際に経験したからこそ伝えやすいことが多々あります。
AIが書いた一般的な旅行レビュー
「この観光地は自然が美しく、リラックスできる場所です。アクセスも良好で、多くの観光客が訪れます。」
実体験に基づいた旅行レビュー
「展望台に立った瞬間、目の前に広がるエメラルドグリーンの海に息をのみました。特に夕暮れ時には、太陽が海に沈む瞬間が幻想的で、時間が止まったような気分になりました。写真で見るよりも、実際に訪れると感動が何倍にもなります！」
AIが書いた一般的な商品レビュー
「このスマートフォンは軽量で、バッテリー持ちが良いです。カメラの性能も優れており、使いやすいです。」
実体験に基づいた商品レビュー
「持ってみると想像していたより軽く感じました。なので、女性が長時間使っても手が疲れません。特に驚いたのはバッテリーの持ちの良さ。朝から夜まで動画を見たり、SNSを使ったりしても充電が50%も残っていました！カメラは夜景モードが優秀で、暗い場所でも細部まで鮮明に撮れるのが嬉しいポイントです。」
このように、実際に使ったからこそわかる「細かな使い勝手」や「予想以上に良かった点・悪かった点」は、AIには書けません。読者にとっても、実際の使用感が伝わるレビューの方が役立ちます。
メリット3：実体験レビューは「他の人の選択」に大きな影響を与える
人は、レストランやホテルを予約するとき、なにかの商品を購入するとき等、実際の使用者のレビューを読んでから決めたりします。
また、旅行の行き先を決める際にも、感動した体験談を読んで「ここに行きたい！」と思います。
例えば、「このカフェのチーズケーキが絶品だった！」というレビューを読んだら、行ってみたくなりませんか？
実際に体験した人のリアルな感想こそが、他の人の行動を後押しするのです。
4Google口コミの影響力と信頼性の向上
現代のネット社会において、人々の購買行動や意思決定には、口コミの影響力が非常に大きく影響しています。特に、Google口コミは多くの人が参考にするレビューの代表例です。
すでに、過去のブログ記事でGoogle口コミの威力について記事をまとめていますので、ぜひこちらを御覧ください。
このブログでは、簡単にGoogle口コミの影響力についてまとめておきます。
Google口コミの影響力が強い理由
Google口コミは、飲食店・ホテル・美容院・商品など、さまざまなジャンルで利用されており、実際のユーザーの評価が直接反映される仕組みになっています。この影響力が強い理由として、以下の3つが挙げられます。
ほぼすべての検索結果に表示される
Googleで「〇〇 レストラン」「△△ 美容院」と検索すると、多くの場合、検索結果の上部にGoogleマップと口コミ評価が表示されます。
実際の利用者の意見が集まりやすい
Google口コミは、実際に訪れた人が投稿するため、企業の公式情報よりもリアルな意見が反映されやすいです。
口コミが多いほど、新規顧客が増える
Google口コミが多いと、ユーザーは「この店は人気がある」と認識しやすくなります。
Google口コミの信頼性が向上している理由
以前は、Google口コミの中に虚偽のレビューや意図的な評価操作が含まれることもありました。しかし、近年Googleは口コミの信頼性を向上させるためにさまざまな対策を強化しており、口コミの精度が高まっています。
①不正レビューの排除（AIと手動審査）
GoogleはAIを活用し、不自然なレビューやスパムレビューを自動的に検出しています。さらに、手動審査チームによる監視も行われており、企業が自作自演のレビューを投稿することが難しくなっています。
②信頼できるユーザー（ローカルガイド）の育成
「ローカルガイド」という制度を導入し、積極的にレビューを書いたり写真を投稿したりする人にポイントを付与しています。一定の実績を持つユーザーの口コミは、より上位に表示されやすい仕組みになっています。
③実名・写真付きのレビューが増えている
匿名のレビューだけでなく、Googleアカウントと紐づけられた実名やプロフィール写真付きのレビューが増えています。これにより、口コミの透明性が高まり、信頼できる情報が得られやすくなっています。
Google口コミがもたらす「リアルな影響」
例えば、同じエリアにあるレストランでも、「評価4.5（口コミ500件）」の店と「評価3.2（口コミ50件）」の店では、選ばれる確率に大きな差が生まれます。多くの人は「星4以上」の評価を基準にお店を選ぶ傾向があるため、口コミの積み重ねが経営にも大きく関わるのです。
また、良い口コミが増えることで、新たな口コミが生まれるという好循環も生まれます。
「このお店、口コミが良かったから行ってみた！」という人が、さらに口コミを投稿し、それがまた新しいお客さんを呼ぶという流れができるのです。レビューを書く人が増えれば増えるほど、情報の信頼性も高まり、より多くの人が参考にするようになります。
さらに、口コミはお店のサービス向上にも貢献します。
店側もGoogle口コミをチェックすることで、改善点を把握しやすくなり、「接客が冷たい」といった指摘が増えればスタッフの教育を強化するなどの対策を取ることができます。良いレビューだけでなく、ネガティブな口コミを活かして改善を進めることが、結果的により良いサービスにつながり、顧客満足度の向上にもつながるのです。
5主観的なレビューを書くことが生むメリット
主観的なレビューがどのように影響を与えているのか、もうすこし具体的に深掘りしていきます。
他の人の役に立つ：
自分の体験が他の人の判断材料になる
レビューは、次にそのお店や商品を利用しようとしている人にとって貴重な情報源になります。
例えば、あなたが旅行に行くとき、以下の2つのホテルがあったとします。
口コミをみたときに、ほとんどの人がAホテルを選ぶでしょう。
これは、他の人が書いたレビューが「リアルな体験」として価値を持ち、それを読んだ人が安心して選択できるからです。特に、ホテルのホームページに記載のない具体的な情報が記載されたレビューは特に役立ちます。（駐車場の広さや利便性などは情報がないことが多いです）
こうしたユーザーの主観的な情報は、公式サイトや広告ではわからない部分であり、実際に体験した人だからこそ伝えられる「価値ある生きた情報」です。
お店や企業にとってもプラスに：
良いサービスには良い評価がつき、信頼を得やすくなる
主観的なレビューは、利用者だけでなく、お店や企業にとっても重要な指標となります。
良い口コミが増えると集客につながる
高評価の口コミが増えることで、新規顧客が安心して来店・購入しやすくなります。「お客様の声」が蓄積されることで、お店のブランド価値が向上。
特に飲食店やホテルでは、Google口コミの評価が4.0以上になると、予約率が大幅に上がると言われています。
悪い口コミも改善のチャンスになる
たとえば、「接客が冷たかった」という口コミが増えた場合、お店側はそれを受けてスタッフ教育を強化できます。「料理の量が少なかった」といったフィードバックがあれば、改善してより良いサービスを提供できるチャンスになります。企業が誠実に対応し、口コミに返信することで、顧客との信頼関係を築くことができます。
「お客様の声」を大切にするお店は、長く愛される傾向があります。
自分の思考整理にもなる：
文章にすることで、自分の感じたことを深く考えられる
レビューを書くことは、自分の体験を振り返るきっかけにもなります。ただ「おいしかった」と思うだけでなく、具体的に何が良かったのかを言語化する力が身につきます。
また、ネガティブな体験もレビューとして書くことで、自分の考えを整理できます。例えば、「思っていたよりも混雑していて、料理が出るまで30分以上かかった」という経験を言語化することで、次回の店選びの参考にすることもできます。
「なぜ良かったのか？」「なぜ不満に思ったのか？」を考える習慣がつくことで、観察力や分析力も高まります。
口コミの価値が上がることで、より良いサービスが生まれる
口コミの数と質が向上すると、お店や企業はフィードバックを受けてサービスの改善を行いやすくなります。
企業側のサービス向上につながる
企業側は、多くのレビューが集まることで、企業は「何が評価され、何が改善点なのか」を把握しやすくなります。たとえば、「スタッフの対応が丁寧だった」という声が多ければ、接客の質を維持・強化しようとし、「商品の説明がわかりにくい」というレビューがあれば、説明書の内容を見直すきっかけになります。
競争が生まれ、全体のサービスレベルが上がる
多くの企業が口コミを重視することで、より良いサービスを提供しようと努力するようになります。その結果、業界全体のサービスの質が向上し、消費者にとってもメリットが大きくなります。たとえば、ホテル業界では、Google口コミの評価が高いホテルほど、スタッフの接客レベルや施設の清潔さが向上するかもしれません。これは、口コミが「サービス向上の原動力」になるということを表しています。
6AI時代にこそ「自分の言葉で書く」ことの意義
AIが発展し、誰もが簡単に文章を作成できる時代になりました。
AIは大量のデータをもとに、自然で流暢な文章を作ることができます。
しかし、AIが生成する文章が一般的になればなるほど、人間のリアルな体験談や「自分の言葉で書くこと」の価値は高まっていきます。
AIが作る文章が増えるほど、人間のリアルな体験が貴重になる
最近は、AIによって自動生成されたレビューや記事を目にする機会が増えました。たとえば、以下のような文章はAIが簡単に作成できます。
一見、自然な文章ですが、どこか当たり障りのない印象を受けませんか？
AIが作る文章の特徴は、一般的で無難な表現になりやすく、感情のリアルさに欠けます。
また、独自の視点やエピソードがなく、そっけない印象を与えます。みんなが同じような文章を書くため、無難な文章で溢れかえったら、どうなるでしょうか？AIの文章が増えれば増えるほど、リアルな体験談や感情がこもった文章の価値が際立つようになるのです。
ありふれた情報ではなく、実体験に基づいたレビューが信頼される時代に
AIが情報を整理して文章を作成することはできますが、実際に体験した人のリアルな声には勝てません。たとえば、あるホテルのレビューがあるとします。AIが書くと「このホテルは快適で、部屋は清潔感があり、スタッフの対応も丁寧です。」といったような一般的なレビューになります。しかし、リアルなレビューになると
現在、インターネット上には大量の情報があふれています。
しかし、残念ながらそのすべてが正しいわけではありません。ファクトチェックは必ず必要で、誤った情報は時に大きな問題を起こしてしまいます。
そのため、誤情報や広告目的のコンテンツが混ざることで、どの情報を信じればいいのかが分かりにくくなってきていて、ユーザーに混乱もおきています。
このようなネット社会だからこそ、「実際に体験した人のレビュー」こそが、最も信頼できる情報源になっていると思いませんか？
特に、Google口コミやSNSでのレビューは、書き手の名前やプロフィールが表示されるため、情報の透明性が高まり、信頼されやすくなっています。
AIを補助ツールとして活用しつつも、人間の「リアルな声」を発信していくことが重要
AIが進化したからといって、必ずしも「AIにすべてを任せる」必要はありません。
むしろ、AIを「補助ツール」として活用しながら、人間ならではの視点を加えることが重要です。
たとえば、AIを使って文章の下書きを作成し、その後、自分の実体験や感想を加えるなどのやり方が良いでしょう。AIのサポートを受けながらも、最終的な「リアルな声」は自分の言葉で伝えることが情報に価値が生まれます。
今後、AIがさらに進化し、より洗練された文章を作れるようになるでしょう。
しかし、それでも「実際に体験した人の言葉」には大きな価値があります。
こうした要素は、AIには生み出せないものです。
だからこそ、AI時代だからこそ、「自分の言葉で書くこと」がより重要になっていくのです。
7まとめ：いまこそ、レビューを書こう！
しかし、それと同時に、「人間が自分の言葉で語る体験談」の価値がますます際立つ時代になっています。
私たちが日々の生活で得た体験は、AIには生み出せない貴重な情報です。
だからこそ、今こそレビューを書いて、自分の経験をシェアして、新たな価値を創造してみませんか？本記事の内容を以下にまとめます。
AIが発展したからこそ、人間の体験談の価値が際立つ
AIはデータをもとに文章を作成できますが、「実際に体験した人の声」には敵いません。AIが書くレビューは、情報としてはまとまっていますが、実際の感動や驚き、細かいニュアンスは伝わりにくいです。
一方、人間のレビューには「リアルな経験」「感情のこもった表現」「細かな気づき」が含まれているため、読んだ人の心を動かします。体験したからこそ書ける言葉には、人の心を動かし、共感を生む力があります。
自分の経験をシェアすることで、誰かの役に立つ
あなたの体験が、次にそのお店や商品を利用しようとしている人にとって貴重な判断材料になります。
旅行先で宿泊するホテルを探している人が、あなたのホテルレビューを読んで安心して予約できるかもしれません。もしくは、レストラン選びに迷っている人が、あなたの口コミを見て「ここに行ってみよう！」と決断するかもしれません。
さらには、新しいガジェットを買おうとしている人が、あなたのレビューを読んで「これなら自分に合いそうだ」と感じるかもしれません。
このように、あなたの言葉が、誰かの役に立ち、良い選択をする手助けになります。
また、レビューを書くことは自分自身の記録としても役立ちます。
さっそく、訪れたお店や使った商品のレビューを書いてみよう！
「レビューを書いてみようかな？」と思ったら、まずは気軽に始めてみましょう。
何を書くべきか迷ったら、こんなポイントを意識すると書きやすくなります！
飲食店のレビュー
ホテルのレビュー
商品のレビュー
あなたの言葉で、誰かの未来を少しでも良くすることができるかもしれません。
「さあ、今こそ、レビューを書いてみませんか？」